【エドガー・ケイシー療法】皮膚疾患へのアプローチ〜乾癬・アトピー性皮膚炎〜

edgar-cayce-skin-disease
目次

はじめに

乾癬やアトピー性皮膚炎など、つらい皮膚のトラブルで悩んでいる方は少なくありません。現代医学では、これらの皮膚疾患の原因が特定しきれず、根本的な治療法がないとされることもあります。ステロイドなどを使って症状を抑える治療が行われることが多いですが、症状への対症療法であるため、一時的にきれいになっても再発したり、ステロイドを使い続けることで体が疲弊してしまうという課題もあります。

しかし、エドガー・ケイシーは、皮膚疾患に対してユニークな視点と具体的な治療法を提唱しました。彼の診断に基づいた療法は、多くの難治性皮膚疾患に効果を示したと言われています。

今回は、ケイシー療法における皮膚疾患への基本的な考え方と、主なアプローチについてご紹介します。

皮膚のトラブルは「腸」の状態を反映している?

お腹に手を当てて悩む女性。

エドガー・ケイシーは、乾癬に限らず、ほとんどの皮膚疾患は腸の問題であると主張しました。皮膚の症状は、体の中、特に腸の状態を映し出す鏡のようなものだと考えるのです。

皮膚疾患の場合、腸壁が薄くなっていることが多いとケイシーは指摘します。特に十二指腸の腸壁が薄くなっているケースが見られるそうです。腸壁が薄くなると何が起きるのでしょうか。それは、食べたものに含まれる毒素、特にナス科の野菜に含まれる毒素などが、本来ブロックされるべき腸壁を通過してしまい、血液やリンパに入り込んでしまうことです。

体内に蓄積された毒素は、どこかから排出されなければなりません。その排出経路が、その人の「弱いところ」を選んで現れると考えられています。皮膚が弱い人の場合には、皮膚から毒素が出ようとして乾癬や湿疹、アトピーといった症状になるというわけです。肺が弱ければ喘息になる、といったように、毒素の出方によって症状が異なるとケイシーは考えました。

つまり、ケイシー療法では、皮膚の症状そのものを直接抑えるのではなく、根本原因である腸の状態を改善することを治療の第一目標とします。

ケイシー療法における皮膚疾患への主なアプローチ

ケイシー療法で皮膚疾患に取り組む際の主軸となるのは、食事療法と毒素排泄です。内側から細胞を健康にし、腸内環境を整えることで、自然に皮膚の状態も良くなるという考え方です。

具体的には、以下のようなアプローチが行われます。

体内毒素になりやすい成分を含む食べ物を避けることが非常に重要視されます。

1.食事療法

新鮮な野菜
  • 避けるべき食べ物:
    • 揚げ物
    • 豚肉
    • 砂糖類
    • コショウ
    • ナス科の野菜: ナス、ジャガイモ、トマト、パプリカ、ピーマン、トウガラシ。現代医学の医師は食事との関係を否定することもあるそうですが、ケイシー療法ではナス科の野菜は毒素になりやすい成分を含むため避けるべきとされます。
  • 積極的に摂るべき食べ物:
    • 新鮮な葉物の野菜をたくさん食べる。→血液を早く浄化する働きが期待できます。
    • 特に、レタス、セロリ、クレソン、ニンジンなどが挙げられています。

また、ケイシーは、穏やかな意識でないときには食事をしないほうが良いとアドバイスしました。感情の状態は消化器系に強く影響を与えるためです。リラックスした状態で食事を摂ることが大切です。

2.ハーブ療法

ハーブティー

腸壁を保護したり、腸内環境を整えたりするために、特定のハーブティーが用いられます。

  • ニレ茶(スリッパリー・エルムバーク):
    • ケイシー療法で最も重要なハーブの一つです。
    • ニレの皮をすり潰した粉末を使います。
    • こグラス半分の水に一つまみの粉末を入れ、混ぜて5分ほど放置してから飲みます。この放置時間で適度なとろみが出ます。
    • 食事をする20分くらい前に飲むのがポイントです。ニレ皮の粉末が胃と腸に薄い粘膜を作り、保護膜となってくれるため、食物の毒素が腸壁を通過するのを抑える効果が期待できます。
  • サフラン茶:
    • ケイシーの考えでは、腸内の殺菌作用のために飲みます。
    • ただし、濃すぎると善玉菌まで殺してしまうため注意が必要です。ほんのり薄いピンク色くらいの濃度で飲みます。赤く濃く出たものを飲むとお腹に悪影響を与えることがあるそうです。
  • カモミール茶:
    • 腸内を安定させるために飲みます。
    • サフラン茶とカモミール茶は、日によって交互に飲んだり、同じ日の中で時間を分けて飲んだり、一杯ずつ交互に飲んだりするなど、どちらかに偏りすぎず、ほどほどの量をバランス良く飲むことが勧められています。
  • スイカの種茶:
    • 場合によっては有望なハーブティーです。
    • 茶こしに小さじ山盛り1杯分くらいのスイカの種茶を入れ、沸騰したお湯を注いで少し浸出させてから飲みます。うっすらと白っぽいお茶になります。
    • スイカの種茶は腎臓からの毒素排泄を促す働きが期待できます。反応が早く、飲んでからだいたい30分くらいで腎臓が反応して尿が出ることが多いそうです。

3.その他のアプロー

オイルマッサージ

食事療法やハーブ療法と合わせて、体全体のバランスを整え、毒素排泄を助ける様々な療法が推奨されます。

  • 背骨のゆがみ矯正: 腸壁を薄くしている原因が背骨のゆがみにある場合があるため、ゆがみを矯正することも有効です。
  • 感情のケア: 怒り、不安、イライラといった感情的なトラブルも皮膚疾患の治癒を妨げることがあります。心の状態を穏やかに保つことも大切です。
  • 首出しサウナ: 毒素排泄を促すために勧められます。頭部に熱がこもるのを避けるため、首だけを出して入る形式が良いとされます。蒸気にウィッチヘーゼルを混ぜるのも皮膚炎に良いと言われています。
  • オイルマッサージ: サウナの後に行うとベストな組み合わせとされています。全身のオイルマッサージは体をほぐし、調整するのに役立ちます。
  • ひまし油パック、腸内洗浄: アトピー性皮膚炎の治療において、状態によってはこれらが勧められることもあります。

これらのアプローチは、それぞれが毒素排泄や体の機能を整える役割を担っています。

(※ひまし油パック、腸内洗浄、オイルマッサージ、背骨のゆがみ矯正(オステオパシー含む)については、別の記事で詳しくご紹介しますので、ここでは概要に留めます。)

治療の経過と「フレア現象」について

ケイシー療法に取り組むと、早ければ2ヶ月、通常は3ヶ月後くらいから効果が現れ始めると言われています。

ただし、ほとんどの場合、1ヶ月半から2ヶ月くらいのところで「フレア現象」と呼ばれる好転反応を通過します。フレア現象とは、今まで症状が出ていなかった別の部位に、急に乾癬などの症状が現れる現象です。例えば、腕だけに出ていた症状が、治る直前に肩にも現れる、といった形で起こります。今まで健康だった皮膚に症状が突然現れるため、驚いてしまうかもしれません。

しかし、ケイシー療法で改善が見られる人の約8割にこのフレア現象が現れると言われています。これは治癒の過程で「起こるべくして起きた」現象だと捉えることが大切です。湿疹などでも、今まで出ていなかった場所に出た場合は、治る前兆であることが多いそうです。

ここで慌てて治療を中断してしまうと、かえって良い結果が得られないことが多いので、フレア現象が現れても慌てずに、そのまま続けることが重要です。心配な場合は現代医学的な治療を併用することも可能ですが、ケイシー療法だけでも、しっかり続けていけば、ほとんどの場合改善に向かうとされています。フレア現象はたいてい1〜2週間で消えると言われています。フレア現象があることを理解しておけば、症状が出たときも冷静に対応できます。そのままあと1ヶ月ほど頑張って治療を続ければ、成果が現れることが多いそうです。

実際の改善例

笑顔の子供

ケイシー療法による皮膚疾患の改善例は多く報告されています。

  • 乾癬の例: 12歳から22年間乾癬で苦しんでいた34歳の女性が、わずか3ヶ月のケイシー療法で皮膚の状態が大幅に改善。これはステロイドで症状を抑えたのではなく、腸から根本的に治した結果であり、2年後の再検査でも再発は見られませんでした。また、9歳から5年間乾癬で悩んでいた14歳の女の子も、皮膚科専門医に治らないと言われていましたが、ケイシー療法を2ヶ月続けただけで改善したという例もあります。
  • アトピー性皮膚炎の例: 重度の全身アトピーで、毎晩かきむしって下着やシーツが血だらけになり、お風呂も痛くて入れなかった3歳の男の子がいました。様々な治療法を試しても治らなかったこの重度のアトピーが、ケイシー療法を始めて1週間ほどで手応えを感じ、2ヶ月ほどで肌が見る見るきれいになったそうです。

米国エドガー・ケイシー財団の統計によると、乾癬に関しては、ケイシー療法に取り組んだ人の95%以上が治癒しているとされています。治療にまったく反応しなかった人は数パーセントに過ぎず、少しでも反応した人まで含めると、治癒率は98%を超えると考えられています。

これは、皮膚に現れた症状だけでなく、その根本にある原因、特に腸の状態を改善するというケイシー療法のアプローチが、多くの皮膚疾患に対して有効であることを示唆しています。

まとめ

エドガー・ケイシー療法では、乾癬やアトピー性皮膚炎といった皮膚のトラブルは、多くの場合腸の状態が悪化していることを反映したサインだと捉えます。そのため、治療の中心は、腸内環境を整え、体内に溜まった毒素を排泄することに置かれます。

具体的には、食事療法で毒素の摂取を減らし、体に必要な栄養を補給すること、ハーブ療法で腸の働きをサポートすること、そして背骨のケアや感情の安定、サウナやマッサージなどで体の毒素排泄機能を高めることが重要です。

これらのアプローチを継続することで、ステロイドなどの薬剤に頼ることなく、内側から細胞が健康になり、本来の皮膚細胞のサイクルを取り戻し、根本的に皮膚の状態が改善していくことを目指します。

皮膚疾患に悩んでいる方は、エドガー・ケイシー療法という選択肢があることを知っていただき、希望を持っていただければと思います。ご自身の体の声に耳を傾け、内側からのケアを始めるきっかけとなれば幸いです。

edgar-cayce-skin-disease

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次